新機材はタイミングに気をつけよ!
トライアスロンのレースで使う道具の数は、他の競技に比べて格段に多く、その分道具の選択の幅も広がります。トライアスロンでは地道な練習が一番大切ですが、その成果を十分に発揮するためには、アイテムの選択もおろそかにしてはいけません。しかし、レース直前になって、あれやこれやと手をだしてしまってもいけません。そうした行動は、レースが迫ってきたことによる不安の表れであり、安易に動けば、大きな失敗をしてしまうことでしょう。
レースにはいつも通りの機材で挑もう
レース直前の機材交換は、故障などの交換する以外の選択肢がない場合に限ります。レース直前は普段とは環境が異なる地域での宿泊や、移動などに気を使っている状況です。初めての挑戦であれば、なおさら不安に感じることが多いでしょう。その中で、自分で新たに考えることを増やしてしまっては競技に集中することができません。
レースにはいつも通りの状態で挑むことが重要です。特にバイクのようにポジションが重要な機材は、ちょっとした変化で大きな違いが生まれます。トライアスロンのように競技時間が長いスポーツでは、微妙な違和感が長時間続くことは大きなストレスになるからです。機材の性能が上がったとしても、本人のパフォーマンスが低下する可能性があるので、直前の機材変更はNGです。
トライアスロンの本番が近づくにつれて、身近な経験者の方にアドバイスをもらうことがあると思います。それは、とても重要な情報となりますが、正しいからといってすべてを受け取るには注意が必要です。
「このグッズを使うとタイムが速くなるよ」という親切な情報があったとします。これは、アドバイスをしてくれた本人からすれば、経験に基づくアドバイスですが、体格やパフォーマンスの異なる自分自身に必ず当てはまるとは限りません。こうしたアドバイスを受け入れるときには、1カ月以上前から、使用してみて慣れてみることが大切です。
また、トライアスロンのレースでは、想定していなかったことが次々に起こります。そうした状況で、自ら新しいものに手を出してしまうと、対処しきることができず、十分なパフォーマンスを発揮することが困難になるでしょう。それを未然に防ぐためにも、いつも通りのグッズでレースに挑むことが大切です。
新機材はいつから使えばいいのか
新機材といっても大小さまざまなグッズが存在するため、一概には言えませんが、出場する大会から一ヶ月以上前には使用してみましょう。もちろん、とあるレースが最終目標で、そこに向けた練習のレースであれば新機材を投入してみてもかまいません。とにかく、本番一発勝負の使用方法だけは避けるべきです。
一ヶ月前ということは決して厳格な設定ではありません。具体的には、新たなグッズを使用して慣れるために必要な期間。もしくは、新しく使用してみたが、違和感を感じてしまい元のグッズに戻すための期間が必要です。
ランニングシューズのように足に馴染むまでに時間がかかるグッズほど、慣らす期間を設けましょう。身体に慣らしていない状態で、そのグッズの性能をすべて把握することはできません。ある程度の期間をもって判断することが必然となります。
また、人によって練習量も異なるため、グッズに慣れるための期間も異なります。上級者であれば、どのくらいで使いこなせるようになるかが自分で分かりますが、初心者であればじっくりと判断する期間を設けましょう。ちなみに1カ月前という設定はどんなに遅くてもこのあたりまでという時期で、本来であればレースのないオフシーズンに試してみることが理想です。
オフシーズンは、あらゆることを試すことが可能な貴重な期間です。その時期を有効に使うことができるかどうかが、レースでの結果に結びつくでしょう。レース直前に新機材投入よりもオフシーズンにじっくりと試すことが大切です。
ただし、オフシーズンだからといって、なんでもかんでも同時に新しいものを使うことは避けましょう。同時に新しいグッズを使用すると、どのグッズの影響で変化が起きたかということが判断しにくくなります。そのため、試してみたいグッズがあれば、ひとつずつ試してみるようにしましょう。
補給食も機材のひとつ
トライアスロンのレースで重要なグッズのひとつに補給食があります。たとえ短いレースでも補給食なくしては十分なパフォーマンスを発揮することはできません。また、距離の長いレースになれば、完走に直接影響してきます。そして、その補給食に関しても、試用期間を設けるようにしましょう。
ただし、補給食に関しては、慣れるかどうかではなく、味や食感が自分に合うかどうかが問題です。そのため、他の機材と比べてじっくり試す必要はないでしょう。ただし、ただ味見をするのではなく、レースと同じような状況で口に含むようにしてください。
運動中と、静止時では身体が求めるものが異なります。それにより、味の感じ方なども大きく変化します。普通に補給するときには問題なかったものが、バイクに乗っていると違和感が生まれたりすることも少なくありません。これは、その状況を再現して確かめる必要があるため、練習中に確認するようにしましょう。
また、問題は味だけではありません。スポーツドリンクなどの飲料水は、バイク乗車時の不安定な状態では口からこぼれてしまうことがあります。そのとき身体に付着したベタつきが気になってしまうこともあります。解決策としては、こぼれないような形状のボトルを使用するか、スポーツドリンクを薄めたりすることが考えられます。人それぞれ、自分に合った方法は異なるため、事前に準備をして確認するようにしましょう。
補給食の用意は、トライアスロンに完走するための要素のひとつです。こうした小さなことに対しても繊細に意識することで、本番での不安材料をできるだけ少なくすることに努めてみましょう。
消耗品は定期的に交換を
グッズの交換において、消耗品だけは定期的に交換することを心がけましょう。たくさん練習をしてボロボロになったタイヤやチューブは、レース中にいつパンクしてもおかしくありません。そのようなグッズに関してはたとえ直前になっても、交換をするべきでしょう。
よくある方法としては、一定期間使用して慣らした、上位グレードの消耗品はレースだけでしか使わないものとして保管することです。練習で使うグッズよりも高性能で、直前に消耗度合いを気にする必要がありません。レース本番にストレスを感じることも少なく、練習用よりもいいグッズを使うことで、精神的にもプラスの効果が期待できます。
どれだけ、高級なグッズであっても、状態が悪ければ最低の効果しか生まれません。特に消耗品に関しては、高級であればいいというようなものではありませんので、気を付けるようにしましょう。
レース直前でグッズを変えたくなるのは不安だから
レースの直前になると、疲労を残すような練習を減らしていく期間に入ります。その頃には、実力を高める練習ではなく、今の実力を十分に出すための練習に切り替わっていきます。しかし、その時点で、完走するだけの自信がなければ、そのような練習をすることに焦りが生まれてしまいます。それでも、厳しい練習をするわけにはいかないため、最後の悪あがきでグッズに頼ってしまうのです。
一番大切なことは、そのような精神状態にならないように練習を計画することです。当然のことですが、自信があれば、わざわざグッズを新しくしようと思うことはありません。これまで通りの力を発揮すれば十分に目標を達成することができるからです。
しかし、そうは言っても、グッズを変えたくなるときが来るかもしれません。そのような場合は、トライアスロンに挑戦している理由を考え直してみましょう。ただ、完走するという結果だけが欲しいのであれば、その選択をしてもいいかもしれません。しかし、自らの力で、限界に挑戦し完走するトライアスロンの最大の魅力について考えれば、道具に頼るような精神など必要なくなることでしょう。もしも、レース直前に不安が訪れたら、自分の中で大切なものを確認してみてはいかがでしょうか。
まとめ
トライアスロンのレース直前にグッズを交換したいと思ったら、それは不安の表れです。できるだけ、そのような不安が出ないように練習や準備をしていくようにしましょう。