トライアスリート道端カレンの実力
モデルとして芸能活動している道端カレン選手は芸能人トライアスリートとしても活躍しています。自身のTwitterでは、練習に関するツイートが多く見られ、その熱中ぶりが伺えます。日本トライアスロン連合が定めるジャパンカップ年間ランキングでは、2016年度35-39歳女子のグループで3位にランクインするほどの実力を持っています。
このランキングは実際にどのように定められているのでしょうか。「女子選手が少ないから上位に入れたのではないか?」このような疑問を解消しながら、道端カレンさんのトライアスロンの成績を確認してみましょう。
エイジグループ年間ランキング3位の実力は?
トライアスロンでは年代ごとにグループ分けを行い、順位を競う「エイジグループ」という概念があります。ジャパンカップ・エイジグループポイントランキング対象大会で上位に入賞するとポイントを獲得することができます。道端カレン選手は2016年35-39歳女子の部で見事3位に輝きました。
道端選手より上位の二名は、同じ年に国民体育大会に各都道府県の代表として出場するほどの強豪選手でした。また1位に輝いた選手は、同年の日本選手権で完走するなど、活躍している選手です。道端さんのエイジグループでは70名の選手がランクインしており、その中で3位であることは、素晴らしい結果でした。
ただし、このランキング方式は複数の大会に出場するほど有利になります。何度レースに出場しても獲得ポイントが減点されることはありません。そのため、レースに出場する数が多いほど上位にランクインする可能性が高まるのです。
道端選手はランクインしている選手の中で最多の7レースに出場しています。ランキング1位の選手とも同じレース数であり、他の選手に大きく差をつけています。そのため、「大会にたくさん出場してポイントを稼いだから?」と推測することもできます。そこで実際の大会の記録を確認してみましょう。
すると、道端選手の実力のほどを知ることができました。まず、道端選手より上位だった2選手と比較してみます。同じレースに出場した大会の成績を確認してみました。結果はすべてのレースでランキング順位通りのものとなっていました。このことから、道端選手はエリートカテゴリーのみで行なわれる日本選手権や国体で活躍することは厳しいものであることが分かります。
一方で、道端選手よりランキングが下位の選手と比較してみました。そこではランキング下位の選手よりも、順位が低いレースが1レースだけありました。他のレースでは年間ランキング通りの実力を発揮しています。つまり、年間ランキング3位という実力は、「出場レース数が多いだけ」ではなく、実力に裏打ちされた結果であるのです。
異なる年代との比較
35-39歳の部で活躍している道端選手を、他の年代の選手とも比べてみましょう。トライアスロンでは、エイジグループでの順位の他に、年代を無視した総合成績が存在します。これは同じ大会に出場する選手を男女別に順位をつけるものです。ここでは他の年代の選手とも争うことになります。
道端選手の総合順位を確認すると、「年代別だから上位にいる」とは言えないことが分かります。世界大会とも併催されている横浜大会は、国内でも最大規模の大会のひとつです。その大会での記録を確認してみましょう。
2016年度の横浜大会では道端選手は「年代別2位」そして「総合17位」という結果でした。女子出場選手は170名を超えているため、総合でも上位10%以内の結果となりました。また、100名の出場選手を超えた村上大会では5位に入賞しています。エイジグループだけでなく総合成績でもかなり上位の実力であることが分かりました。
エイジグループ大会に出場しない選手
「そうは言っても本当に速い選手は出場してないんじゃないの?」という意見はあってもおかしくないでしょう。そして実際にトップクラスの選手はこうした大会には出場していないことがほとんどです。オリンピックや世界レベルで戦う選手をはじめとする、国内プロ選手は、「エリートの部」に出場しているからです。もちろん芸能活動をしながらトライアスロンに励む選手と、トップを争う競技者を同じ舞台で比較するべきではないでしょう。それくらいに実力差があります。
「エリートの部」では特別なルールが設けられています。それは「バイク競技中に周回遅れになると失格となる」というルールです。このルールによりスイムが苦手な選手、バイクが苦手な選手は完走することすら許されません。記録を見る限り、仮に道端選手が「エリートの部」に出場した場合は完走するのは厳しいレベルと推測されます。
学生選手権では通用するレベル?
道端選手が「エリートの部」で完走することは難しいことが予想されますが、そこから少しレベルを下げた学生選手権ではどのような結果になるでしょうか。毎年、9月に開催される日本学生トライアスロン選手権は大学生の日本一を決める大会です。この大会に出場するためには、地域ごとの予選を勝ち抜く必要があります。
道端選手は学生選手権に出場することはできません。しかし、九州・沖縄地域の学生選手権予選には出場しています。正確には「学生の部」と「一般の部」で分かれて行われているため直接の関係はありません。しかし、同じ日に同じ場所でレースを行ったという事実は比較するに十分な情報になるでしょう。
2016年度の九州・沖縄学生選手権は長崎県の西海トライアスロン大会で行われました。全国大会に出場するためにはこの大会で3位以内に入ることが条件でした。このときに学生女子3位のタイムは2時間43分47秒でした。そして道端選手のタイムはそれを上回る2時間38分09秒だったのです。つまり、道端選手は日本学生トライアスロン選手権に出場するだけの実力があることになります。
各地域によってボーダーラインは異なるものになりますが、この成績を見てみると学生の全国大会に出場するレベルでした。それでは、道端選手が学生選手権に出場した場合は通用するのかを考えてみましょう。
もしも日本学生トライアスロン選手権に出場したら
日本学生トライアスロン選手権では、先に説明した「バイク競技中に周回遅れになると失格となる」というルールが適用されます。スイムとバイクの結果が順位に大きく影響することになります。ただし、学生選手権は「エリートの部」と比べてレベルが落ちるため、完走のボーダーラインが多少緩和されています。
2016年度の日本学生トライアスロン選手権では、失格となるボーダーライン選手のスイム成績が27分台でした。1.5kmのスイムコースを27分以内で泳ぐ必要があるのです。そこで道端選手の成績を確認してみると、比較的スイムが得意な選手であることが分かります。
トライアスロンの大会では、種目ごとの順位が表示されています。その記録は参考記録であるため、男女区別なく順位が表示されています。男子選手がいる中でも道端選手のスイム成績は二桁台につけていることがほとんどでした。コースによりタイムのばらつきはありますが、26分台でコンスタントに泳ぐことができる実力の持ち主です。
このことから、日本学生トライアスロン選手権に出場した場合でも26分前後で泳ぐことができるのではないかと考えられます。完走のボーダーラインを上回るタイムであるため、総合成績をつけることができるのではないでしょうか。もちろん、バイクの実力も重要になり、かつバイクではエイジグループの規定と違い、ドラフティング走行が許可されるため、レース展開も大きくことなるでしょう。しかし、そういった事を考慮しても、日本学生トライアスロン選手権においては十分に完走を狙えるレベルにあるでしょう。
まとめ
芸能人トライアスリートである道端カレン選手は、国内でさまざまなレースに出場しています。そこでの活躍はプロ選手には遠く及ばないもののアマチュア選手の中では、高いレベルを発揮しているといえるでしょう。また、道端選手は2016年のエイジグループポイントランキング結果により、世界選手権の出場権利を獲得しています。この大会はアマチュア選手の世界大会のような位置づけです。まだ出場するかどうかは不明ですが、出場することになれば、上位入賞も狙えるのではないでしょうか?期待したいですね!
by MKD
*写真はイメージです(笑)