スイムでうまく・速く・ラクに泳ぎ、エネルギーロスを防ぐには
トライアスロンにチャレンジする時、スイムは多くの人にとって大きな壁になっているのではないでしょうか。スイムに苦手意識をもっている人に共通して言えることは、身体に無駄な力が入り、力み過ぎていることです。力が入っていると身体は沈んでしまい、自分の思い通りに身体を動かせず、エネルギーロスに繋がります。
トライアスロンでのスイムは、残りのバイクとランに備えて、エネルギーロスの少ない、効率の良い泳ぎを心がけることが大切です。最初の種目であるスイムでエネルギーをロスしてしまうことは、トライアスロンを完走する上で、大きな問題です。
エネルギーロスの少ない泳ぎをするためには、身体の力みを取り、リラックスした状態で身体を浮かせることが大切になります。
水に慣れ、リラックスする
まずは水の中で無駄な力を抜き、水に慣れることから始めましょう。水の中で無駄な力や力みが入っていては、決して浮くことはできません。
水に慣れることで身体はリラックスでき、浮くことにつながります。また、水に慣れることで水への恐怖心も減らすことができます。
では、どのように水に慣れていけば良いのでしょうか。その方法はいろいろありますが、まずは大きく息を吸い込み、うつ伏せになって全身の力を抜いてみましょう。この時、頭を水の中に入れて行っていください。
泳ぎ出さなくて結構です。その場で力を抜きます。そうすると、肺に溜まった空気が浮き袋となり、胸の辺りが浮かんでくるのを感じることができるはずです。これをクラゲ浮きやだるま浮きといいます。これが水に慣れる第一歩です。
慣れてきたら、リラックスした状態で水の中を歩いたりジャンプをしてみたりするのも効果的です。身体でしっかりと水の感覚を体験しましょう。
スイム上達の第一歩は「水に浮くこと」
さて、冒頭でも話した通り、スイムの基本は水の中で身体を浮かせることです。長い距離を泳ぐ時も、速いスピードで泳ぐ時も、まずは「水に浮くこと」を覚えることが必要不可欠になります。つまり身体を浮かせる感覚を養うことが、スイム上達の第一歩となるのです。
スイムはパワーがあれば速く泳げるようになる種目ではありません。技術が大きく左右される種目です。水は空気に比べて約60倍もの抵抗があり、その中を我々は泳ぎ進みます。
身体が沈んだ状態で水の中を進むのか、しっかりと身体を浮かして水の上を滑るように進むのかでは、抵抗の大きさは格段に変わってきます。つまり、どれだけ抵抗を減らして泳げるかが大きなポイントになってくるのです。
抵抗の少ない泳ぎとは、泳ぎの効率、エコノミーが良いということです。ゆっくり泳いでいるように見えるにも関わらず、実際のタイムは速いという人を見たことがあるかと思います。これは、抵抗の少ないエコノミーの良い泳ぎができているということです。泳ぎのエコノミーを良くするためにも、水に浮くことが重要になっていきます。
「キャッチではこうした方がいい」、「リカバリーではこうだ」、「ストロークの軌道はこれが良い」ということよりも、まずは水に浮くことを覚えましょう。
水に浮く練習方法で、一番定番になるのが「伏し浮き」と呼ばれるものです。取り組み方は先に述べた水慣れ方法と同じですが、しっかりと腕と脚を伸ばした状態で浮けるかが、ポイントになります。このとき、身体に無駄な力や力みが入っているとうまく浮けず、脚が沈みやすくなってしまうので気をつけましょう。
慣れてきたら、腕や脚を広げたり閉じたりしてみてください。さらに慣れてきたら、仰向けになってチャレンジしてみましょう。こうして、水に浮く感覚を養っていきます。
このように、トライアスロンのスイムで重要なのは水に浮き、エネルギーロスを少なくすることにあります。水中で抵抗少なく進めるようにすることが、うまく・速く・ラクに泳ぐコツになります。
by KENNY-Y