トライアスリートの怪我1「スネが痛い!」シンスプリント
「走るとスネが痛い」という症状。この症状は「シンスプリント」または「脛骨過労性骨膜炎」(以下シンスプリント)と呼ばれています。脛の真ん中から下にかけて痛みが出てくるのが特徴です。疲労が原因となっていることが多く、そのまま治療せずにランニング練習を継続していると疲労骨折につながる場合があります。
シンスプリントの段階
放置しておくと疲労骨折する可能性もある、この症状ですが、初期段階で治療すべきところを、練習を継続してしまう選手が多く、注意が必要です。
第1段階 走り始めだけ痛みを感じるが、途中から痛みなく走ることができる
第2段階 走り始めに痛みを感じるが、途中で痛みは消失、しかし、後半に痛みが出てくる
第3段階 走っているときには常に痛みがあるが、日常生活では痛くない
第4段階 日常生活においても痛みが常に痛みがある
このように、初期段階では痛みながらも、練習が継続できてしまうところに問題があります。早期にランニングを休止し、ほかの種目(水泳やバイクなど)に練習を切り替えましょう。
なぜ痛くなるのか
シンスプリントの別称は、「初心者病」。ランニングをはじめたばかりの選手に多くみられる症状だからです。しかし、トップ選手でもシンスプリントに悩まされているケースもあります。原因は、オーバーユースです。突然、練習時間や距離が長くなったり、頻度が増したりすることで、スネに付随している筋肉が硬くなり、痛みとなっています。スネに付随する筋肉とは、「ヒラメ筋」「腓腹筋」「前脛骨筋」などで、これからがオーバーユースによって硬化し、スネの骨膜を引っ張っり炎症させるのが原因です。
オーバーユースと、一言で片付けるのは根本的な解決にはなりません。再発の可能性が極めて高いので、原因を探っていきます。フォームの変更(ふくらはぎを余計に使った走りになっていないか)、ランニングコースの変更(硬い地面を避ける)、シューズが摩耗していないか、薄くて硬いシューズを使用していないか、などです。
ストレッチで筋力をやわらかく
予防法として、毎日の練習の前後にスネ周りの筋肉をほぐしておきましょう。以下のストレッチとともに、自分自信でセルフマッサージを行なうとよいでしょう。
「前脛骨筋のストレッチ」正座して、片足ずつ膝を上げてスネを伸ばします
「腓腹筋ストレッチ」足を前後に開いて、膝を伸ばしたままアキレス腱を伸ばします
「ヒラメ筋ストレッチ」アキレス腱を伸ばした状態から、膝を曲げて腰を落とし、踵が浮かないように体重をかけます
「足首ぐるぐる」足首を片手で抑えて、足指を伸ばしたり、ぐるぐる回します
補強トレーニングで筋力を整える
ストレッチなどでケアをすると同時に、スネ周りの筋肉群の補強をしましょう。
「カーフレイズ」壁などに手をついて、踵の上げ下げを行います。
「タオルギャザー」タオルを足の指をつかってたぐりよせます。
「足じゃんけん」足でグーチョキパーをつくります。
以上、トライアスリートによくみられるシンスプリントの原因と対処法について書きました。シンスプリントは初期段階で処置をすることが本当に大切です。ケアをすれば治ります。ケアをせずに練習を続けると、大好きな練習がしばらくできなくなってしまいます。トライアスリートは、スイムもバイクもできます。痛みが出たらすぐにランニングを休止し、ケアしてくださいね!
by KD