トライアスリートの怪我2「足の裏が痛い!」足底筋膜炎
トライアスリートの怪我で多いのが、足の裏の痛みです。実は、私もこの怪我に長らく悩まされました。朝起きてベットから降りた直後の痛みは、本当に嫌なものです。朝から鬱々とした気持ちになっていました。この症状は足底筋膜炎といいますが、私がこの痛みから脱出できた経験を元に、予防や治療法を書いていきます。
どんな症状?
足の指の付け根からかかとまで、足の裏に膜のように張っている腱組織・足底筋膜に炎症が起きて、小さな断裂を起こして痛みが出ます。多くはかかとの骨の前あたりに痛みが起こります。私は母指球の下あたりが痛みました。
なぜ、痛くなるのか?
この足の裏の筋膜の炎症の原因は、主にオーバーユースです。足の甲の骨は、弓状になっていますが、その裏で弓の弦のようにピンと張っているのが足低筋膜です。足の裏には小さい骨がたくさん集まっていて、それを靭帯で繋いでいます。そこを覆うようにしているのが、足低筋膜。練習量が増加して、ランニング距離が伸びたりすることで、その靭帯が疲れてくると、この筋膜にも影響を与えます。
治療法は?
痛みが出ているなら、まず練習を休止することです。練習中に痛みが消えるからといって放置しておくと酷くなる一方です。走るのを止めて、練習意外の要因も探りましょう。シューズの底がすり減っていないか?ランニングコースの地面が硬くないか?
練習などオーバーユースによる原因の場合には、足低筋膜に影響を与えるような部位をしっかりとケアしていきます。大腿の疲労だって、衝撃を吸収できなくなって足の裏にダメージを与えている要因です。また、踵に直結しているアキレス腱をほぐすためにも、ふくらはぎ周りもしっかりとマッサージしていきましょう。足低部へのマッサージは炎症をひどくする可能性もあるので、ストレッチ程度にしておきましょう。指をもって反らせて伸ばします。
通常1ヶ月から3年の間で、自然治癒します。(スパンが長いですが。)毎日、歩く際に足裏はついてしまうので、炎症がおさまるまで、なるべく大人しくしておきましょうね。私は、ランニングはしなかったのですが、どうしてもレースを欠場する決断が出せず、レースに出場してはぶり返し、1年以上、完治に至りませんでした。初期に練習を休止すれば、その分、早く復帰できるので、軽視して放置しないことです。
予防が大切!
先ほどの私の例ではありませんが、再発の多い怪我です。まず、足低筋膜が炎症を起こさないように毎日の練習でケアをしていくことが大事です。大腿部のストレッチ、アキレス腱周りのストレッチ、そして足低部のストレッチでケアしましょう。特に足低部が疲労してくると、筋膜炎に直結します。足低部のストレッチは難しいので、ゴルフボールやマッサージボールを踏んだり、竹踏みなどを日常的に取り入れましょう。
また、足低部の筋力が低下することで、アーチ(土踏まず)が正常な状態に保たれず、筋膜にも影響を与えてしまいます。足低部の筋力を強化するために、足の指でジャンケンをしたり、足の指でタオルを巻き取っていく「タオルギャザー」、チューブを使って足首を外反、内反させたり、背屈・底屈させる補強運動が効果的です。
トライアスリートは、ランニングできなくてもスイム、バイクができます。だから、足低筋膜炎のときには迷わず、ランニングを休止して他の種目に代替しましょう。そして、レースも取りやめる勇気を持つこと!レースまで我慢!なんて絶対にしちゃだめです。本当に長引いたら、何年も完治にかかってしまいますよ。僕も、あの朝の憂鬱な目覚めが続くかと思うと、1レースをお休みして完治させたほうがいいなって心から思います。
by KD