あなたは何を目指す?トライアスロンの種類
トライアスロンに挑戦したいと思ったときに、どのような大会を思い浮かべるでしょうか?多くの人にとっては「最後にフルマラソンを走る」というようなイメージかもしれません。しかし、実際にはトライアスロンにはさまざまな距離で行なわれています。
そこで今回は、トライアスロンの種類を紹介していきます。
オリンピックディスタンス
トライアスロンは2000年に行なわれたシドニーオリンピックより公式競技として採用されました。距離はスイム1.5kmバイク40kmラン10kmの51.5km。それまでは、「スタンダードディスタンス」「ショートディスタンス」などと通称されていましたが、オリンピック採用を受けて、正式名称は「オリンピックディスタンス」と統一されています。(ODと略されることもあります)
各国の代表選手が集うエリートレースでは2時間弱のうちにレースが終わります。 ロングディスタンスと比較すると当然短いのですが、2時間もの連続運動が過酷であることは言うまでもないのではないでしょう。また、広大なコースを駆け巡るロングディスタンスとは異なり、周回コースが設定されていることが特徴と言えます。そのため、大会開催のための必要な条件が緩和され、シーズン中には毎週末、全国各地で大会が開催されています。活動拠点から近場の大会を選ぶことができるので、費用面からもレースには参加しやすく、トライアスロンに挑戦する方は、まずはこの距離での完走を目指すことになります。
スプリントディスタンス
ス プリントディスタンスはオリンピックディスタンスのさらに半分の距離(スイム750mバイク20kmラン5kmの合計25.75km)で行われます。競技時間もトップ選手となると1時間を切ることがほとんどで、一般的な持久力を競うトライアスロンのイメージとは離れているかもしれません。
スピードが要求される距離ですが、オリンピックディスタンス完走を目指す方のステップレースとして、デビュー戦としても最適です。距離が短い分、周回コースであることも多く、スイムであれば、ブイが近くバトルもあり、バイクではコーナーも多く技術が求められます。また当然トランジッションも経験できるので、初心者だけでなく、中上級者の中には実戦練習として出場する選手も多いですよ。
ロングディスタンス
いわゆるロングディスタンスとは、最後のランニングが42kmの距離のトライアスロンのことを指します。日本では、佐渡国際トライアスロンが、スイム3.8kmバイク190kmラン42km、宮古島トライアスロンが、スイム3kmバイク155kmラン42kmで開催されています。それぞれ、完走すると、「アスロマン(佐渡)」「ストロングマン(宮古島)」という称号が得られます。
また、世界では、IRONMAN というシリーズ戦が有名で、かつて日本でも、琵琶湖、五島、洞爺湖にてIRONMANが開催されていました。距離はスイム3.8kmバイク180kmラン42kmで完走者は「アイアンマン」と呼ばれます。五島では、IRONMAN ブランドが外れてしまいましたが、同じアイアンマンディスタンスで「バラモンキング」の称号を得られるレースとして現在も五島国際トライアスロン大会が開催されています。
さて、ロングディスタンスではどれくらいの時間がかかるのか。アイアンマンの世界記録は8時間を切りますが、トップエイジでは9時間、制限時間いっぱいにレースする方であれば、15〜16時間もの「長旅」になります。レースは日が昇ると同時にスタートしますが、日が暮れてからゴールテープを切ることになるわけです。しかし、日が暮れて暗くなっていく中で、フィニッシュゲートは明るく照らされ、選手を迎えてくれます。沿道には選手の健闘を讃えるたくさんの観客がいて、完走の喜びは表現できないものです。丸一日をかけてのレースはとても長く、辛いく、レースを辞めたくなるばかりです。しかし、不思議なことに完走した人は口をそろえて、またチャレンジしたいというのです。こんなに楽しかったことは今までにないと言うのです。この気持ちは完走した人にしか分からないものでしょう。ぜひ、挑戦してみてくださいね!
ミドルディスタンス
ミドルディスタンスは、最後のランニングが42km未満でオリンピックディスタンス以上の距離のトライアスロンです。一番、多いのがアイアンマンディスタンスの半分、スイム1.9kmバイク90kmラン21kmのフォーマットでしょうか。70.3マイルの距離であることから、「アイアンマン70.3」と呼ばれます。IRONMANシリーズ同様に世界中で大会が開催され、世界選手権も行なわれています。国内では、この距離に限らず、様々な距離の大会があります。伊是名トライアスロン、徳之島トライアスロン、サンライズ岩田、宮島トライアスロンなど、土地それぞれの特徴の出る距離設定です。また、佐渡トライアスロンや、五島トライアスロンには、ロングディスタンスの部門と併設されて、ミドルディスタンスの部門があります。
アクアスロン
アクアスロンはトライアスロンから派生した競技です。種目はスイム・ランの二種目から構成されています。やはりバイクがないことが特徴で初心者でも参加しやすいレースとなっています。
アクアスロンの距離も様々ですが、海や湖を使った大会では、スイム1.5kmラン10kmやその半分の距離が多く開催されています。また、多くの大会は、プールを用いて開催されている(コースロープを取り払って、ブイを浮かべて周回することが多いですよ!)ので、海や湖などに不安がある初心者の方には、いい練習になると思います。普及の面においても、手軽に大会開催できるため、地域のトライアスロン協会主催で全国各地で行なわれています。
デュアスロン
屋外で水泳を行うトライアスロンは、冬場はオフシーズンとなります。日本国内では、秋から春にかけてのトライアスロンオフシーズンに、デュアスロンが開催されています。デュアスロンとは、ラン・バイク・ランの複合競技で、世界選手権も開催されています。距離は、世界選手権では、ラン10kmバイク40kmラン5kmですが、日本国内のレースでは、ラン5kmバイク30kmラン5kmといった距離が多く、割と短い距離設定が多いようです。スイムのかわりに最初の種目がランニングになっているため、下半身を酷使します。トライアスロンより過酷だと、デュアスロンには出場しないと決めている方も多いですが、いいオフトレーニングになります。国内のグランプリレース「カーフマンジャパン」では、トライアスロンのトッププロもオフトレーニングの一環で出場しています。ちなみに、「カーフマン」というネーミングは、ふくらはぎが攣るほど辛いことに由来しています笑。
まとめ
以上のようにト ライアスロンには様々な距離や種目があります。初心者の方であれば、まずはアクアスロンやデュアスロン、そしてスプリントディスタンス、オリンピックディスタンスと挑戦していくのがベターでしょう。そして、最終的には、ロングディスタンスにも挑戦してもらえると嬉しいです。また、大会ごとに、土地それぞれのコースが楽しめますし、土地の文化や食事なども楽しめるのがトライアスロンの醍醐味です。自分なりの楽しみ方をみつけて、末永くトライアスロンを楽しんでくださいね!
By MKD