トライアスリートの怪我3「膝の外側が痛い!」腸脛靭帯炎
トライアスリートに多い怪我のトップ3に入るのが腸脛靭帯炎でしょう。走ると膝の外側が突っ張るように、擦れるように痛みます。厄介なことに、運動直後は痛まないこともあり、20分以降に痛みが出るため、運動再開のタイミングが難しく、長引くことが多い怪我です。ここでは、原因と治療方法を書いていきますね。
原因は何?O脚だから?
腸脛靭帯炎の原因は、走り方のクセや、シューズ、走行路面の傾きや、外側着地、O脚など様々にありますが、最終的にはオーバーユースです。膝の曲げ伸ばしによって、膝の外側から腰に向けては走っている腸脛靭帯と、その内側にある大腿骨の付け根(膝)の外側が擦れていることが原因です。本来、擦れるべきものではないのですが、腸脛靭帯がつながっている筋肉たちがランニングによって疲労して、硬くなってしまうと、腸脛靭帯も引っ張られて硬く張ってしまいます。硬くビンビン引っ張られた腸脛靭帯は、膝の外側の骨と擦れてしまい痛みが出てしまいます。O脚や外側着地も原因の一端になっていることがありますが、まずは、筋肉群の硬化を解消しましょう。
治療法は?
<まずは安静!>
この腸脛靭帯炎の厄介なところは、走りはじめに痛みがないこと。しかし、症状を自覚したら、ランニング練習はストップ!です。トライアスリートの場合、バイクなら痛みがあまり出ないという方もいるでしょう。しかし、腸脛靭帯炎とわかったらバイク練習も一旦休止するのがベストです。スイム強化期間と割り切って1週間ラン、バイクはお休みです。
テーピングをして練習するなんてのは絶対にダメです。テーピングで少し痛みが緩和する感覚はあるかもしれませんが、何も解決していません!必要なのは休息です。
<ビンビンになっている腸脛靭帯を緩める>
練習休止中に、引っ張られてビンビンになっている腸脛靭帯を元通りに緩めてあげます。先ほども書いたように原因はオーバーユースによる、太ももの外側(大腿筋膜張筋)や、臀部の筋肉疲労です。筋肉の疲労を取り除き、硬くなった筋肉に柔軟性を取り戻す必要があります。
<ストレッチやはほどほどに。鍼治療がお勧め>
ストレッチは有効ですが、痛い部分を伸ばしがち。逆に炎症を加速させてしまうことがあるので注意しましょう。先ほどの腸脛靭帯のまわりの筋肉のストレッチが大切です。同じように炎症している可能性も多いのでやりすぎないように。自分で緩めるより、治療の専門家に診て施術してもらうのがベストです。お金はかかってしまいますが、早く治して練習したいでしょう?マッサージや指圧などは、強い場合には逆に過緊張させてしまうので、個人的には鍼治療がお勧めです。手では直接届かない部分にも鍼は届くので深部から緩めることができます。
練習再開の目安
日常生活で、特に階段など膝の伸展があるようなシチュエーションで、痛みを意識しなくなったら、練習再開の目安といえます。再開したら、セルフケアを今まで以上に気をつけて再発しないように心がけましょう。それこそ、ここでストレッチやセルフマッサージが大事です。筋肉が硬くなって腸脛靭帯を引っ張らないようにこまめに疲労軽減に努めましょう。練習後のアイシングは、膝だけでなく、臀部が有効ですよ!
by KD