苦手克服!スイムの呼吸動作のポイント
スイムのときに行う呼吸動作は、抵抗が大きくなりやすい動きの一つです。トライアスロンに関わらず、スイムでは呼吸動作が絶対に必要になる技術です。そして、トライアスロンのように長い距離を泳ぐとき、呼吸の回数は自ずと増えます。
そのため、一回一回の動作で生まれた小さなロスが積み重なると、大きなロスにつながる可能性をもつのが呼吸動作です。
つまり、呼吸動作で抵抗を減らすことができれば、スピードを落とさずに速く・ロスを最小限に抑えて泳ぐことができます。また、呼吸動作に苦手意識のある人は多いのではないでしょうか。それでは、苦手意識の強い呼吸動作で、押さえておくべきポイントをみていきましょう。
まずは息継ぎの練習から
どんな動きも同じですが、まずはひとつひとつの動作を分解して行うことが大切です。呼吸動作であれば、息継ぎの練習から行いましょう。息継ぎの練習で気をつけていただきたいことは、リズムとタイミングです。息継ぎのリズムとタイミングが崩れてしまうと、スイムのリズムも乱れてしまい、無駄な力みが生まれてしまいます。
また、リズムが崩れるということは、呼吸動作の時間が長く・大きくなってしまっている可能性があります。そうなれば、身体への抵抗は大きくなり、呼吸のたびにスピードは減速してしまうでしょう。泳ぎのスピードを落とさないためにも、リズムとタイミングが常に一定にできるよう心がけることが大切です。息継ぎのリズムとタイミングは、水中に顔をつけているときは鼻から空気を少しずつ出し、水面に上げる瞬間に口を使って肺に残っている空気を全て吐き切ります。そして、吐き切った反動で口から空気を吸い込みます。
実際の練習の方法として、まずは立った状態から水中に潜ったり上がったりして息継ぎのリズムとタイミングを覚えましょう。
問題なく上記のリズムとタイミングで息継ぎができるようになったら、次はプールサイドなどにつかまり、顔だけ水面につけて正面や左右での息継ぎに挑戦してみてください。さらにできるようになったら、ビート板などを使ったキック練習のときに息継ぎの練習を織り交ぜるのも効果的です。このとき、顔を上げすぎてリズムとタイミングが崩れないよう気をつけましょう。
腕のリズムに合わせ、頭の位置に気をつける
上記のリズムとタイミングが分かってきたところで、実際のスイムに息継ぎを入れていきましょう。スイムでの息継ぎのリズムとタイミングは、腕の動きに合わせ、頭を上げ(傾け)すぎないことがポイントになります。多くの人は「たくさんの空気を吸いたい」という心理から、天井を見上げてしまうほど長い時間、頭を水面から上げる傾向にあります。また、苦しくなってくると、どんどん呼吸動作の時間が長くなる人も多くいます。
これでは身体は沈みやすくなってしまい、大きな抵抗を生んで減速しまいます。呼吸だからといって、天井が見えてしまうほど頭を上げる必要はありません。そもそも、片側の目が水面よりも上に出るくらいまで上げれば、息継ぎは十分可能です。もちろん、リズムとタイミングが合っていなければ水をたくさん飲んでしまうので、動きに合わせた頭の上げ方をしましょう。
目線をぶらさない
そして、呼吸のときの目線にも気をつけます。呼吸のたびに目線がぶれては、泳ぎの軸までぶれてしまい安定した泳ぎはできません。目線をぶらさないポイントは、「水中での目線」と「呼吸のときの目線」を合わせることです。そのとき、首を回して呼吸をするのではなく、ローリング動作(身体の中心に1本の軸を通し、その軸を中心に左右に揺らす動作)に合わせて頭を動かして呼吸をします。
スイムの姿勢は、頭から足先まで一直線になっていることが理想です。そのため、水中での目線はとても重要になります。目線が前を向きすぎてしまえば腰は反れ、顎を引きすぎてしまえば腰は丸まり、理想の姿勢をつくることはできません。水中での目線は、やや前方から真下の範囲を見るように心がけましょう。そして、呼吸をするときは、ローリング動作に合わせてやや前方から真横を見るように意識します。
このように、呼吸動作でスピードを落とさずに速く・ロスを最小限に抑えて泳ぐためには、息継ぎのリズムとタイミング、さらには呼吸のときの頭の位置と目線を意識することが大切になります。ぜひ、上記のポイントを意識して練習してみてください。
by KENNY-Y