夏を乗り切れ!夏場のトライアスロン練習のコツ。
ジメジメした梅雨が明けると、いよいよ夏!トライアスリートが大好きな夏がやって来ます。ギラギラの太陽の下で真っ黒に肌を焼きながらトレーニング!まさに鉄人、アイアンマンのイメージそのものですね。ところが、最近の日本の夏の暑さは異常ですので、トレーニングには注意が必要です。夏バテしないように、結果の出るトレーニング方法を教えます!
スケジュールが大事
タイトルの通り、夏場を乗り切るには年間スケジュールが重要なのです!パフォーマンスが落ちる夏場は、できれば、レースもトレーニングも避けたい時期。年間でピークを作るのであれば、6月までにトレーニングをしっかり終わらせ、7月はテーパリング、そしてレース。本当に暑い8月はオフにしてしまうのがベストです。とはいえ、日本国内のレースカレンダーだと、厳しいですよね。
日本在住トライアスリートが、一番気をつけたいのが、9月1週にある佐渡大会に出場する場合です。まさにトレーニングのピークは7月下旬から8月初旬にかけて、まさに暑さもピークです。佐渡大会に出る方は、後述する夏トレ原則を守って質重視で臨んでください。
10月2週のアイアンマンハワイに出場する選手は、9月の3連休あたりでトレーニングのピークが来ればOK。暑さのピークである8月は、質重視でボリュームにこだわらない、しっかりと暑さが和らいでくる9月からラストスパートできるよう体力の配分に気をつけて臨みましょう。
*7月中旬の皆生大会に出たあと、ハワイに出るような選手は、焦らずに8月はリカバリーに努めるのがコツです。皆生前に積み重ねたベースを信じて、暑さの中でハードにトレーニングせず、リカバリーに努め、9月からの短期集中トレーニングでハワイに臨みましょう。
夏トレ原則①「時間帯を考える」
レースの暑さに慣れるため!という根性論も「たまには」いいですが、全く意味がありません。頑張るのはレース本番だけで十分です。暑い昼間に練習したそのダメージで、練習機会が減ってしまう方が勿体無いです。練習時間帯は、早朝か、インドアです。夏場は明るくなるのも早いので、朝5時から練習できます。5時から8時までの3時間あれば十分でしょう。
夏トレ原則②「強度を高くして時間を短く」
暑い時期には、なるべく練習は時間を短くして体への熱暑ダメージを少なくします。低負荷で長時間の練習はなるべく避けましょう。例えば、スタミナに不安があって距離走をやりたい、とします。ランニングで30km走や、20km走をしたい…不安な気持ちもわかりますが、暑い中の練習で、熱中症や脱水症状、そして設定ペースの低下(後述します)で、練習効果が低くなってしまう可能性があります。そこで、夏場は、スピード強化に取り組むといいでしょう。レースよりも速いペースでのインターバルがオススメです。ランの鉄板メニューについては、別記事で言及していますので参考にしてください。(参考:「必ず強くなるランの鉄板メニュー」)
練習のトータル時間も減らすことができますし、インターバルの最中に、給水や水をかぶったりと冷却することもできます。また、スタミナにどうしても自信がない場合には、短い距離のペース走を行います。30分〜40分程度で終わるような距離設定がいいですね。ショートの距離のレースペース付近の強度で行います。この強度は、スタミナ改善にも、スピード改善にも効果があります。安全策として、ペースをビルドアップにすることで、暑さによるペースダウンなどのリスクも回避できますよ!
バイクの場合にも同様です。とにかく夏場は低強度で長い時間乗って持久力を養成する時期ではありません。実走でも、インドアでも、インターバルがいいでしょう。VO2maxの鍛える短い時間のインターバル、そしてFTP周りでのインターバルで1時間以内にメインが終えられるようにします。ペースライドにおいても、FTP域で走行して、同じく1時間以内で終えるようにしましょう!スタミナに不安があるなら、上記のようなピリッとしたライドの後に、クールダウンを長めにとる、それで十分です。それでも不安であれば、週で乗る回数を増やしましょう!
夏トレ原則③「設定ペースは下げる」
暑い時は、素直に設定ペースを下げましょう。冬場と同じペースで走れる訳がありません。根性でどうにかなるものではないので、夏場は設定ペースを下げるものと理解しておきましょう。インターバルでも、ペース走でも、+5〜10秒/kmは下げて大丈夫です。もちろんインドアで行うときには、設定ペースは下げたりはしませんよ!(当たり前ですが笑)
夏トレ原則④「インドアをフル活用せよ」
夏でもコンディションが変わらないインドアは最強です。ローラー練習とトレッドミルをフルに活用しましょう。ローラー練習やトレッドミルが苦手、という方も、夏を機に取り入れてはどうでしょうか。コンディションが変化しないということは、体の変化に敏感になれるメリットがあります。ローラー練習のコツについては、別途ポストしますので、参考にしてください。
夏トレ原則⑤「ナトリウムコントロールに気をつけて!」
暑い日に練習をして、飲みたくなるのが炭酸飲料、そしてビール。最高ですね!しかし、気をつけないといけないのが、ナトリウム量です。夏場のトレーニングの発汗量は通常より多く、トレーニングの最中に摂取したナトリウム(電解質)量では足りていないことが多くあります。そもそも、ナトリウムは、ある程度、体に蓄えておけるものなので、練習中の補給した電解質の量が発汗量のそれを下回っていても、ある程度の量であれば、大きな問題にはなりません。しかし、こうした練習が日々積み重なり、そして、水分ばかり取っていると、食欲もなくなり、いわゆる夏バテを引き起こします。水分やさっぱりした味の食べ物ばかりが食べたくなりますが、しっかり塩気のあるいつも通りの食事を心がけましょう。(参考:「補給を制するものはトライアスロンを制す」)
以上、日本の夏トレ対策でした。どうしても、インドアや短い時間の練習ではレースが怖い!という人は、短期でもいいので高地合宿がいいですね。高地は、酸素が薄く、血中の改善効果がありますが、それ以上に、涼しい場所で思い切り練習できるというのは嬉しいですよね。もし、時間とお金に余裕があれば、ぜひ夏場は高地合宿を取り入れてくださいね。高地トレーニングについても今後、投稿したいと思います。
by KD