トライアスロン遠征では何に自転車を梱包するのがベストか?
トライアスロンは離島で行われることも多く、しばしば飛行機での遠征になります。車での移動であれば、自転車の運搬もさほど苦労はありませんが、離島ではそうはいきませんね。飛行機に載せるにしろ、事前に輸送しておくにしろ、梱包しなくてはいけません。梱包は、国内離島だけでなく、もちろん、海外でのレースの場合にも必要です。
私たちの梱包の選択肢として、現在、四つの梱包手段があります。一つはハードケース、二つ目はソフトケース、そして三つ目がダンボールケース、最後に輪行袋です。一つずつ、メリットデメリットを紹介していきます。自分の遠征パターンに合わせて上手に利用していきましょう!
ハードケース
ハードケースとは、自転車専用の硬質スーツケースです。多くがホイール前後、ハンドル、ペダル、ディレイラーを外します。衝撃耐性に優れていますが、パーツをバラバラにして梱包するので、メカに自信がない初心者には不向きです。また、重量も10kg〜以上のものが多く、自転車を入れると20kg近くになってしまいます。航空会社の規定によりますが、重量オーバーで超過料金を取られてしまう可能性が高いケースです。マイルステータスの高いチケットを利用する方や、超料金を気にせず、安全面を重視する方向けです。また、運ぶ際には、コロが付いているので空港などバリアフリーの場所であれば、便利ですが、エレベーターのない階段や、粗いアスファルトなどを歩く必要がある遠征では不向きです。値段的には5万円前後でしょうか。
*Alan Bike Box 92×113×32 11.2kg £400
*出典: bikeboxalan.com
ソフトケース
ソフトケースとは、スポンジ素材をナイロンで包んだケースです。ホイール前後を外して、台座に載せ、ホイールでフレームを挟む構造になっています。ハンドル部分を覆うような設計になっているため、ハンドルを外す必要がなく、ペダルも外さなくていいので人気のあるケースです。DHバーもそのままの形で梱包できることが多く、梱包時間も非常に少なくて済みます。ただし、最近の航空会社の手荷物規定では、縦、横、奥行きの三辺の合計が、203cm以内のことが多く(JALで203cm、ANAは158cm)通常時には、三辺の合計が203cmを超えているため、ハンドルを折り畳む必要がある場合も。また、台座に対して、ホイールをクイックレバーで留めるようにフレームを固定するため、過度な衝撃が加わるとフォークが折れるケースが散見されます。外部からの衝撃にも決して強くはないので、重ねて積み上げられてしまうような場合にはリスクが非常に高いケースです。丁寧に扱ってくれる日本国内の飛行機ならばリスクも少ないですが、海外での取り扱いは、日本ほど丁寧ではないのが現実。私も、自分のケースが、投げられ、積み重ねられていくのも、飛行機の窓から涙目で見た経験があります。ケースを開けると、フォークのクイックが外れていただけで済んだのですが、逆にクイックをしっかり締めていたら、フォークが折れていたと思います。重量はハードケースより若干少なく、9kg程度です。自転車とヘルメットやウエア、シューズなど入れても20kg以内には収まるので、大きさと衝撃耐性のみが不安な点です。値段は7〜8万円といったところです。
*エアロコンフォートトライアスロン 90×45×132cm 9.2kg 74520円
*出典:http://www.intermax.co.jp
ダンボールケース
ダンボールケースは、その名の通り、ダンボールにホイール前後、ハンドル、ペダル、ディレイラーを外して梱包します。ハードケースを扱える方なら問題なく梱包できます。ダンボールケースの魅力は何と言っても安さ。自転車屋さんで余っているダンボールをもらえればタダです。ただし、雨に濡れるとダンボールがヘナヘナになってしまうので、専用のプラスチックダンボールで出来た商品がオススメです。これも1万円ほどで手に入ります。コロが付いていないので、持って歩くのには不向きですが、オプションでコロをつけられます。コロをつけたところ、階段や粗いアスファルトを歩くのは厳しいと思います。サイズは、203cmぴったりに作られているので、クリアできる航空会社が多いと思います。また、重量が2kgちょっとと軽いのも魅力です。自転車とシューズやウエア、ウエットスーツ、いろいろ入れても20kg以内で収まるでしょう。
*バイクポーターPRO 203cm 2.3kg 10800円
*出典:https://www.actionsports.co.jp/
輪行袋
輪行袋は、ホイールを外して、フレームに重ねた状態でナイロン製の袋で包んで担いで運搬する道具です。リアエンドを保護するエンドカバーこそ、ついていますが、衝撃耐久性は極めて低く、預けて輸送するには不向きです。日本国内の飛行機移動であれば、丁寧に扱ってもらえるので、大丈夫な場合もありますが、フレームやリアエンドの破損などのリスクは大きいです。電車などに乗る際に自分自身で担いていく場合にはとても便利です。使わない時には、小さく畳め、バイクジャージのポケットにも入るサイズのものもありますので、ロングライドの帰りを輪行して帰るという場合などには最適です。
*オーストリッチ輪行袋 107×83×200 320g 7035円
*出典: http://www.ostrich-az.com
まとめ
以上、予算や、優先順位にもよりますが、私のオススメは、ダンボールケースです。海外遠征は数知れず行きましたが、一度も破損したことはありません。もちろん、徐々にプラスチックダンボールが小汚くなりますが、穴が空いたり裂けたりもないので、見た目さえ気にしなければ、何十回も使えます。(ただし、マジックテープがだめになってくるので、ガムテープなど利用します)。重量も軽いので、デイバックにノートPCとロストした時に備えて、一泊分の着替えだけ入れて、あとはケースの中に入れて楽々移動でした。
皆さんは何を重要視しますか?分解が苦手、という人も多いと思いますが、一番大事なのは、レースに万全の状態で出られること、安全に運べるものを選ぶといいと思います。
by KD