トライアスリートは食べ足りない!?
トライアスロンはもちろん、スポーツ競技者はトレーニングによって強くなっていきます。ただし、トレーニングだけでは強くなりません。トレーニングによって追い込み疲労した身体を回復させることによって、トレーニング前の身体より強くなるのです。これを超回復と言います。回復する前に、トレーニングを行なってしまうと、身体は疲弊し逆に弱くなってしまいます。こうしたオーバートレーニングを避けるために、回復の基本を理解し、効率よく強くなっていきましょう。
回復するには、まず、食事(栄養)と睡眠です。トレーニングによって身体の筋肉は破壊され、修復するためのタンパク質を必要としています。また、特にトライアスロンなどの持久種目においては、エネルギーが枯渇しています。エネルギー源である炭水化物を取ることが大事になってきます。もちろん、脂肪もビタミン群も大切なのですが、ここでは、特にタンパク質と炭水化物を積極的に取ることをお勧めします。バランスの良い食事をとっている選手でも、選手である以上、一般の方と同じ量では足りません。できれば、1日3食だけでなく、積極的に補食しましょう。
補食の内容は、もちろんバランスよくが一番なのですが、一汁三菜の定食を補食として食べることは現実的ではありませんよね。例えば、練習後に、鮭おにぎり(タンパク質と炭水化物)とオレンジジュース(ビタミン類)。こんな組み合わせでもOKです。私は、面倒臭がり屋で、食が細かったこともあり、練習後にはプロテインを飲んでいました。プロテインといっても、タンパク質だけでなく、炭水化物が入ったプロテインにして、練習後のエネルギーの枯渇を回復もプロテインでまかなっていました。プロテインには、ビタミン群も必要量入っているので、非常にバランスに優れています。持久種目のために炭水化物(カーボ)の入ったプロテインも市販されているので、トライアスリートにはオススメです。
また、練習が長時間に渡るときには、注意が必要です。例えば、ロングライド5時間の後に1時間ラン。9時にスタートしても、種目を切り替える時間も含めて、15時〜16時までかかってしまいますよね。ランチする時間はありません。練習後に、抜いたランチの分の食事量を晩ご飯で取り切るのには、内臓にも負担がかかってしまいます。なるべく、ドカ食いは避けましょう。それには、練習の時から、積極的にエネルギーは摂り続けます。タンパク質は、消化に時間もかかるので、練習中は避けましょう。エネルギージェルなど消化の良いものを摂って、エネルギーの枯渇を最小に抑えて練習を終えることが身体へのダメージを軽減するコツです。(*ロングの選手などで、わざと筋中のグリコーゲンを枯渇させるトレーニングも行いますが、ダメージもあるので、特別練習として、十分な休息時間が取れる日程で取り入れましょう。)
練習後には、例のカーボ入りのプロテインを摂って晩御飯までを繋ぎます。特に練習後すぐの食事は内臓に負担がかかります。まずは、プロテインを摂ってとりあえずの補給、そしてシャワーを浴びて身体を休息モードに。休息モード(副交感神経を優位)にすることで、内臓の働きが活性化します。活性化してきて、お腹が鳴ってから?ゆっくりよく噛んで晩御飯、の流れがいいですね。
晩御飯で十分に摂りきれなかったという日は寝る前にプロテインを飲みましょう。カーボ入りにするか、タンパク質のみにするか、その日の摂取エネルギーを振り返って調整するといいでしょう!
色々な選手を見てきましたが、「食べ足りない」選手が多く見られます。特に、真面目に練習している選手ほど足りていません。積極的に補食回数を増やしていきましょう。どのくらい食べたらいいか?の目安ですが、翌日、翌々日に身体が回復しているか、自分の声をよく聞いて決めていきます。どのくらい練習したら(カロリーを消費したら)、十分に回復するのに、どのくらいの食事が必要か、朝起きた時の空腹感や、身体のだるさなど、よく自分を観察していきましょう。教科書には、スポーツ選手は一日5000kcalが必要、などと目安が書かれていますが、トレーニング内容によって大きく変わってきます。自分の感覚を磨いていきましょう。
また、体重が多いな、と感じる選手もいます。いっぱい練習しているのに、なぜ、太ってしまうのでしょう?おそらく「食べることが好き」な選手ではないでしょうか?こうした選手の特徴として、プロテインやサプリメントを嫌う傾向にあります。教科書では、栄養は食事からとるのが一番!と書いてありますが、食事で全てをカバーしようとすると、余計なものまで摂取している可能性が大です。プロテインやサプリメントは効率的に足りない「タンパク質」「炭水化物」「ビタミン群」をとることができます。食事で得られる美味しさは得られませんが、手軽で、コストパフォーマンスもよく、何より効率的です。選手である以上、補食はあくまで競技の一部、練習の一部と思って割り切ることが大切ですよ!強くなりたいなら、意識を変えていきましょう。
by KD