時間のない人必見!効率的にパフォーマンスUP!「過負荷の原理」とは?
この記事を読んでいる人は、限られた時間の中で、効率よくパフォーマンスを向上させられたらと思っている人ではないでしょうか?
ただ、まずお断りしておくことは、トライアスロンなどの持久系スポーツでは、1回のトレーニングで飛躍的にパフォーマンスが向上するという魔法のような方法はありません。1日1日、1回1回のトレーニングの積み重ねがパフォーマンスアップにつながっていきます。
しかし、トレーニングには原理や原則というものがあり、これらのポイントをしっかり押さえることで、トレーニング時間に制限のある人でも、効率よくパフォーマンスを向上させることは可能です。今回の記事では、トレーニング時間に制限のある人だからこそ押さえてほしい、トライアスリートのための原理・原則について説明していきます。
まずトレーニングとは、今まで耐えられなかった練習量や負荷・強度、環境などに「適応」させていく作業です。パフォーマンスの向上とは、上記の作業による身体的・精神的適応の積み重ねの結果ともいえます。どれだけトレーニングに適応できたかによって、その人のパフォーマンスは決まるのです。
つまり、これらの適応をより効果的・効率的に行うためには、様々な原理や原則を意識してトレーニングに取り組むことがポイントになります。
強度(刺激)を少しずつ高めていく「過負荷(オーバーロード)の原理」
身体は、現在獲得している能力(筋力や有酸素能力など)以上の刺激や負荷を受けると、その負荷に耐えようと能力が向上します。つまり、パフォーマンスを向上させたいと思った場合、すでに獲得している自分の能力よりも少しきついレベルの強度(刺激)や負荷でトレーンングを実行しなければ、パフォーマンス向上は望めません。これを過負荷の原理といいます。
トライアスロン的、負荷の設定とポイント
トライアスロンなどの持久系スポーツでは、強度や量などの負荷の調整がポイントになります。負荷の高め方にはいくつか方法があります。「スピードを上げる」「距離を伸ばす」「休息時間を減らす」などが負荷の調整をする際にはもっとも簡単な方法です。
例えば、ランニングのスピードを6’00”/kmから5’30”/kmにする。泳ぐ距離を1000mから1500mに伸ばす。インターバルトレーニングの休息時間を2分から1分30秒に短縮するなどです。
過負荷の原理で気をつけること
過負荷の原理はとても単純です。少しずつ負荷を高めていくだけです。しかし、実際に能力を適応させていくためには、慎重に強度などの負荷の調整を行っていく必要があります。ポイントは少しずつ負荷を高めることです。いきなり負荷を高めてはいけません。
もし、急激に負荷を高めてしまうと、病気やケガ、故障につながるでしょう。このような状態になってしまうと、身体が万全の状態に回復するまでは以前のような負荷でトレーニングを実行することができません。そうなってしまっては、効率よくパフォーマンスを引き上げることは不可能になります。負荷を高める場合は、細心の注意が必要です。
私がおすすめしているのは、上記の方法で負荷を変更する場合、1つだけに止めることです。スピードならスピードだけ、距離なら距離だけにとどめることです。早くパフォーマンスを引き上げたいからといって、欲張って2つ以上負荷を変更してしまうと故障のリスクが高まります。
急がば回れです。持久系スポーツでは、1回1回のトレーニングの積み重ねがパフォーマンスの向上につながることを心に刻んでください。
皆さんは、いつも同じ負荷でトレーニングを行っていませんか? もしくは、「あの人はあの設定タイムで行っているから」「○分○秒のタイムを出すためには、今、これくらいの設定タイム・スピードで走らないと意味がない」と思い込んでトレーニングに励んでいませんか?
目標としているタイムを出すためには、目標とする設定タイムをクリアすることは重要です。しかし、そのタイムやスピードは、現状のあなたが出せるパフォーマンスに見合った設定として適正ですか?
私も同じような状況に陥ることがしばしばあります。レースが近づくと、どうしても目標タイムをクリアすることに固執してしまいがちです。だからこそ言えるのです。焦ってもうまく前には進みません。そのような時、好転したことはありません。怪我や風邪などの繰り返しです。
まとめ
怪我に悩まされている方。風邪をひきやすい方。うまくトレーニングを積めない方。ぜひ、今一度自分のトレーニング負荷を見直してはいかがでしょうか。今よりもパフォーマンスを向上させたい場合は、少しきついと感じる負荷でトレーニングに励んでみてください。そして、負荷を高めるときは、段階を踏むことを心がけましょう。トレーニングは、身体的適応と精神的適応を積み重ねていく作業です。
by Kenny-Y