オフはトライアスロンのトレーニング計画を立てよう
本命のトライアスロンレースを終えてシーズンオフへ突入。オフシーズンに入ったなら来シーズンの計画を立てましょう。そもそもシーズンインとオフの概念は、「期分け」というトレーニング計画によるものです。これを「ピリオダイゼーション」と呼びます。大目標のレースがあり、それに向けて、トレーニングの強弱をつけながら期間によってトレーニング内容を変化させていきます。
日本国内では、4月から10月がトライアスロンのシーズンインとなっています。大きな大目標となる大会の多くは、秋口に開催されているはずです。(9月インカレ・佐渡、10月日本選手権・コナetc)
そうした大きな目標レースに向けて、4月〜10月のシーズンイン中はレースを挟みながらトレーニングしていきます。予選レースが行われるのもシーズンイン中の特徴ですね。(ジャパンカップ、地方予選大会、各地アイアンマンetc)
予選レースでも本番となる大目標のレースでも、しっかり力を発揮するためにはスケジューリングが大切です。一年間を通して、大きくトレーニングのピークを予選と、本番の二回に設定してスケジュールを組んで行きます。ピークの間隔は3ヶ月(12週)以上空けることが理想です。もし、予選レースと本番が近い場合には、本番のピークへ向けてトレーニングを積み上げている途中となりますので、トレーニングの一環として予選を戦うことになります。しっかり予選も本番も大事にしたい場合には、なるべく予選レースとの間隔を空けましょう。
ここで書いている期分けは以下の通りです。
回復期 1〜6週間(ロングで疲弊している場合にはもっと!)
体の回復、心のリフレッシュに努めます。練習は強度も量も減らして、心身へのストレスを少なくします。練習では、普段やらない球技など取り入れるのもといいですね。この期間に、来シーズンの目標レースを定め、練習計画を立てていきます。(もちろん、計画は都度修正していきます!)
準備期 3〜4週間
いよいよ始まるトレーニングに耐えられる体を作っておきます。筋力トレーニングや、体のメンテナンスもしっかり行っておきます。助走期間と捉えてください。
基礎期 2〜3ヶ月
持久力、筋力、スキルを包括的に高めていきます。ベーシックなトレーニングで単調に感じるかもしれません。ただし、ここでのトレーニングがシーズンを通しての土台になることを忘れてはいけません。
強化期 1.5〜2ヶ月
レースに向けて強度を上げていきます。トレーニングの一環として小さなレースに出場することもいいでしょう。実戦的なトレーニングで質を上げていきます。また、苦手種目克服のための期間でもあります。具体的な苦手分野、領域のトレーニングに特化して練習します。
テーパー期 1〜2週間
練習のボリュームは下げつつ、質はキープして、体の疲労を抜きます。動きのキレを出していき、レースに備えていきます。レースを使って調子を上げていくのも手法の一つです。
レース期 1〜3週間
いよいよ本命レースです。好調は3週間が限界です。レースが複数回ある場合には疲労を抜きながらも質は落とさず、レースを使いながら調子をキープします。
具体的に、選手に落とし込んで、参考例を挙げてみますね。参考にしてください。
ショートの学生選手で日本選手権も視野に入っている選手。ロングディスタンスの選手で国内レースを重視している選手。アイアンマンハワイに出場する選手。それぞれ、レースデイによって、期分けが異なってきます。あくまで、期分けの期間は目安なので、柔軟に変更していきます。また、予選レースで本命レースの権利を得られなかった時には、代替レースを検討しなくてはいけません。その時にも、選ぶのではなく、練習計画に無理のないスケジュールの大会を選ぶといいでしょう。
また、フルディスタンスのロングトライアスロンに出たあとは3週間は回復に充てましょう。年間二回までがXathlon推奨頻度です笑。例え、そのシーズンは出場できても翌シーズンのパフォーマンスが下がってしまいます。プロでない皆さんは二回まで!もし、コナの権利が取れずに、二回予選に出るのであれば、来シーズンはお休み覚悟で。また、フルディスタンスを二回走った選手は回復期で十二分に休みましょう。1〜6週間とありますが、この表では8週間、9週間と書いています。どんどん休んで家族や仕事の時間に割いて来シーズンの厳しいトレーニングに備えてくださいね笑。
また、準備期も時間があるなら十分に時間をとっていいと思います。回復期が長すぎるよりも、準備期として弱点補強などする期間を長く取る方がいいですから。
こうして期間によっての目的が定まって練習するのと、闇雲に練習するのでは、パフォーマンスの向上に大きく違いが出てきます。なんとなくトレーニングせずに、ぜひ、期分け計画をして臨んでください。一年の計は「オフはじめ」にあり、ですよ!
by KD