デュアスロンを活用せよ!アイアンマンとの親和性
皆さん、デュアスロンという競技を知っていますか?
デュアスロンとは、ラン・バイク・ランで構成される種目で、日本選手権も世界選手権もあるトライアスロンの仲間(マルチスポーツ)です。トライアスロンのトライが「3」を表すようにデュアスロンの「デュ」は「2」を表します。ランバイクの2種目競技という訳です。
日本では、90年代に、ジャパンスーパーデュアスロンシリーズ「JSDS」というデュアスロンのシリーズ戦が全国で行われていました。当時はいわゆるバブル景気の名残りもあり、優勝商品にBMWがあったり、世界的なスター選手でもあったケニースーザ選手や、日本でプロ活動していたマイケルトリーズ選手など有名選手も参戦して派手に大会を開催してました。その後、JSDSが終わりを告げると2004年からは、「カーフマン ジャパンデュアスロングランプリ」としてデュアスロンの国内シリーズが復活、現在に至っています。カーフマンとは、「Calfman」=ふくらはぎ男 というネーミング。経験したことがある方なら納得のネーミングです。デュアスロンとは、トライアスロンより脚を酷使します。2回目のランニングでふくらはぎを攣ったことがある選手が大半でしょう。
さて、そんな過酷な?デュアスロン。ここでは、トライアスリートに向けて、いかにデュアスロンが有益な実戦レースになるかをお伝えしたいなと思います。
ビギナーのステップアップレースとして
デュアスロンは、「スイムのないトライアスロン」という訳ですが、トライアスロンデビューを目指すビギナーが最初に「レース」を経験するのに最適です。海などオープンウォーターでのスイムはハードルが高いですよね。自信のないビギナーにとって、デュアスロンはオープンウォータースイムを回避して「マルチスポーツ」を経験できるいい機会となります。特にトランジションはトライアスロンと変わりませんから、種目が切り替わる流れをレースで学ぶことができます。初めてのレースでは、意外にもたくさんのミスを起こしてしまうものです。ヘルメットを被らずに乗車しようとしたり(必ずストラップを締めてからバイクをラックから取り出しましょう!ペナルティ対象になります!)、ヘルメットを前後逆に被ってしまったり、バイク→ランでは、ヘルメットをかぶったまま走り出してしまったり・・・。心拍数が高い状態で、興奮状態にあると、冷静な判断ができなくなります。体で覚えてしまえば大丈夫ですが、初めての時には、こうしたうっかりも珍しくありません。また、自分のバイクがどこにあるのか、バイクを見つけられずに迷子になってしまったりと、準備の段階では、気にもかけなかったことが起こり得るのです。(トランジットエリアから走り込んで来た時に、ずらりと並んだバイクから自分のバイクをすぐに見つけられるか、一度経験しておくと、何を目印にしたらいいのかなど、具体的な対策が立てられます)
トレーニングの一環として
カーフマンシリーズをはじめ、多くのデュアスロンレースが11月〜5月に開催されています。トライアスロンシーズンのオフ中になるため、シーズンに向けてのオフトレの一環として中上級者にもお勧めです。競技距離も、5km-30km-5kmを中心として1.5〜2.5時間程度で終わるため、スピードトレーニングの位置ずけとなります。特にショートトライアスロンに向けてのトレーニングとしては、レースの強度が近くとてもよいトレーニングになります。エリートレースも併催されているので、ドラフティングレース経験ができるという意味でも、積極的に出場できるといいですね。スイムが苦手でショートのトライアスロンではエリートレースに出られないという選手も、デュアスロンであれば、第一種目がランニングですから、ランニングの能力が高ければ出場することができます。2017年現在のカーフフマンのレベルだと5000mで17分前半の力があれば、完走を目指してチャレンジしてもいいでしょう。
トレーニングとは、同じ環境(コースや距離など)で続けているとどうしても、マンネリ化し、頭打ちになる時がきます。体には、様々な強度や、様々な刺激を与えることで、包括的に能力を向上させることができます。レースでは、想定外の強度や、自分ではコントロールできない動き、追い込みができるため、一番のトレーニングになると言えるでしょう。
アイアンマンとデュアスロンの関係性
また、アイアンマンアスリートも積極的に出場すべきです。距離が短く、強度も高いので敬遠する選手が多いですが、あなたのVO2max、FTP値といった「エンジン」の能力を引き上げることができます。こうした自分の限界を超えるレースを積み重ねることで、より早く成長することができるはずです。ブレイクスルーを狙った練習は、自分自身のトレーニングでは、なかなかできないものです。レースという環境を利用してブレイクスルーしましょう。
デュアスロン世界選手権歴代優勝者(wikiより)
アイアンマンファンならご存知のスター選手、「グレッグウェルチ」「ノーマンスタドラー」選手もデュアスロン世界選手権を制し、その後アイアンマンハワイを制しています。2017年、アイアンマンディスタンスの世界最高記録を打ち立てたティムドン選手もデュアスロン世界選手権の優勝者です。アイアンマンは、バイクランの比重がショートディスタンスより高いため、デュアスロン競技との親和性があります。このオフには、デュアスロンレースを取り入れてみてはいかがでしょうか?過酷な競技ですが、楽しいですよ。皆さんも、キツければキツいほど、楽しいと感じる人種でしょう?笑 チャレンジしてみてくださいね!
by KD