キツくて測りたくない!20分TT以外のFTP計測方法
バイクの戦闘力とされる「FTP」はパワートレーニングの強度指標の軸となる数字。そのため、正しい「FTP」を知ることが大事です。多くの選手が取り入れている20分間の全力走による測定は、20分間と言えど、相応の気持ちを作って臨まねばなりません。ここでは、もっと手軽に測れる方法を紹介しましょう。(参考:「バイクのレベルチェック!FTPの計測方法」)
MAPテスト
この方法は、ランプ負荷運動といって一定のペースでパワーを上げていき、パワーが上がらなくなるまで追い込みます。最終的には全力を出し切るのですが、本当に苦しくキツイのは最後の5分程度、20分間の全力走に比べたら、取り組むに当たる精神的なハードルは低いと言えます。
このプログラムでは、MAP(Maximal Aerobic Power)、つまり最大有酸素パワー(V02maxに入るところ)を測定します。最大有酸素パワーの75%で1時間継続できるという前提から、MAP×75%がFTPということになります。また、このテストで、VO2maxのパワー値も得られます。
計測方法
段階的に負荷を上げられるようにインドアトレーナーで行います。
w-up 20分
MAP Test 150wを1分間維持する
その後は1分毎にパワーを上げて維持
*男性選手 25W,女性選手15wずつ上げて行く
*タイムキーパーなど第三者のサポートがあるといい
*これ以上上げられないというところまで維持する
C-down 20分
最後の1分間のアベレージワットがMAPとなる。
つまりMAP×0.75=FTP となる。
最後の2〜3分が非常にキツイです。サポーターにタイムを読んでもらったり、鼓舞してもらって自分の限界を引き出してもらいましょう!
メリット
この計測方法は、苦しみが短い=高強度の時間が短いので、回復時間も短くて済むメリットがあります。とは言え、翌日の練習は軽めにしたほうがいいでしょう。また、20分間TTよりも精神的なハードルが低く、追い込みやすく、より安定して正確な値に近いものと言えます。
ただし、前提として「FTPはMAP(VO2maxに達する時のパワー)の72~77%」の理論が、個人差によって大幅に外れる場合には使えません。感覚的にずれているようであれば、20分TTや1時間TTをやってみてください。
VO2maxの入り口=MAPの前提も、個人差があります。トップアスリートの場合にはVO2maxは90%近いところにFTPがある場合も。また、こうした計測以外にも、Garmin や Suunto、Polarなどのデバイスを使ってトレーニングしている場合には、蓄積トレーニングデータなどから予測値を出してくれます。様々な計測法から自分のFTPを把握して効率の良い練習をしましょう!
by KD