エイジグルーパーが手軽にできる高地トレーニング
前回の投稿では、高地トレーニングとは何か、トライアスリートにも有効か、といったことについて書きました。そして、エイジグルーパーにおいても短期間の高地トレーニングが有効的と結論付けさせていただきました。この短期間での高地トレーニングの手法は、短期間ではあるものの、標高1500m以上の環境に身を置かねばいけません。合宿地への移動時間や連泊する時間が取れないエイジグルーパーの方には、違う手法での高地トレーニングを紹介しましょう。
低酸素ルームを使う
前述の手法は、高地に滞在しての短期合宿。「トレーニングハイ・リビングハイ」という手法です。これから紹介する手法は「トレーニングハイ・リビングロウ」です。
直訳通り、高地でトレーニングして低所にて生活します。トレーニングのときだけ、高地環境にします。もちろん、高地に移動してもいいのですが、高地と同じ環境を用意すればオーケーです。つまり、低酸素環境でトレーニングできればいいわけです。最近では、こうした低酸素トレーニングができる施設があります。低酸素ルームにてトレッドミルやバイクローラートレーニングをすることで、血中の酸素運搬機能を刺激して向上させることができます。トレーニング以外の時間は自宅でいつも通りリラックスできますから、身体の回復も高地にいるより早く、コンディショニングしやすいでしょう。
低酸素ルームのデメリット
デメリットとしては、スイム環境は期待できないこと、トレッドミルやローラーワークになるので、長時間のベース練習には精神的にきつい、施設使用料がかさむことが挙げられます。そのため、インターバルなどで短時間で追い込む選手が多いようです。当然、酸素濃度が薄いですから、めちゃめちゃキツイですが、酸素が薄い分、追い込みきれないので筋力に高負荷をかけるのは難しく、狙いを心肺機能にフォーカスするといいでしょう。
また、こうした施設が近くにないという方もいると思います。そんな方は思い切って低酸素テントを購入!なんて手もありますよ。テント内でトレーニングです。ただ、多くの低酸素テントユーザーは、寝るときだけテントにする「トレーニングロウ・リビングハイ」として使っていますね。値段はそれなりにします(100万円程度です)が、高地で合宿する移動費、宿泊費を考えると年単位で定期的に使えば元が取れるかも!?
取り組むときの注意点
こうした高地トレーニング(低酸素トレーニング)を行うとときには、いきなり高度を上げすぎない、個人差があるので他者と比較しないことが大切です。水分補給にもいつも以上に注意しましょう。また、血中の変化を確認するためにも定期的に血液検査を受けるといいでしょう。血液の状態をよくするのが目的ですから、狙った効果が得られているかを定期的にチェックします。血液の状態を向上させるにあたり、鉄分が必要不可欠になりますから、鉄分の摂取は重点的に行いましょう。また鉄分の吸収をよくするために、良質なタンパク質、ビタミンCにも気をつけて。トレーニングの成果がどう数字に現れるかは、食事にも大きく左右されます。血液検査の数字を見ながら、医師や栄養士の方ににアドバイスをもらうとベストです。
高地トレーニングはコンディションを崩しやすい方もいるので、個人差ありますが、確実に有効なトレーニング方法です。できる環境があれば、積極的に取り入れるべきです。
byKD