トライアスリートのメントレ!実践編
レース直前になって気持ちが落ち着かない、不安で仕方がない、緊張して何も手につかない、夜も眠れない…そんなことにならないためにも、自分がベストパフォーマンスできる心地良い気持ちの状態に持っていけるスキルを身につけましょう。しかし、このスキルは一日にして成らず。日々のトレーニング同様、「メンタル」トレーニングをして行きましょう。ここでは、基礎的な訓練方法を挙げていきます。(日々の生活で意識すること)
1.心から達成したい「目標」を意識する
心から達成した目標は何でしょうか?先ずはそこの自己理解から。自分が本当に求めている目標が決まったら、よく見るところに書いて貼っておきましょう。手帳に書いておくのもいいですね。そして、言葉に出すこと。仲間にも自分の言葉で言うようにしましょう。言い続けていると夢が叶いやすくなるのは自分が自分を信じて突き進めるからですよ!
2.メンタルがパフォーマンスを左右することを思い出す
メンタルの状態をよく保つのはパフォーマンスをよくするためです。メンタルの状態をコントロールするのは自分のためだという意識を持ちましょう。
3.今のメンタル状況を選べるようになる
最高の状態「フロー」にするには、具体的な解決策を考えよう。例えば「テンションをあげる」だったり、「自信を持つ」だったり。フローには色々な感情・気分が含まれることを理解しておきましょう。「楽しい気分」ばかりがフローではなく、状況に応じて「集中」「真剣」「リラックス」もフローになりますよ。どの心の状態が、一番最適かを考え、選べるようにしましょう。
4.自分の解釈に気づく
状況や事実に対して、自分が加えた解釈に気がつけるようになりましょう。例えば、練習メニューが「30kmロング走」だったとしましょう。「長くてきついな」と感じました。「長い」は事実ですが、「きつい」は自分自身の「解釈」です。無理に解釈を変えたり消す必要なないのですが、解釈なんだと気がつくことが大事です。筆者は暑いレースが得意でした。「暑くて嫌だな」という感情が出ますが、「暑い」は事実。そして「嫌だな」は解釈です。暑いのが嫌なことは認め、その感情が出てしまうことは仕方ないので、ひとまず横においておきます。それより大事なのは「暑い事実」。この事実を認識して、対応しました。給水やペース配分など体温調節に気を配ることができたので、他の選手に比べて結果が良かったのだと思います。「嫌だな」の感情に引っ張られて、正しい対処ができないのは勿体無いですよ。
5.「自分のメンタルは自分が決める」という意思を持つ
自分のメンタルは状況に応じて決まるのではありません。自分の意思でコントロールできます。メンタル状態が悪くなってきたとき、今の悪いメンタル状況は自分が作ってしまっていることを思い出しましょう。自分の解釈に引っ張られていませんか?「暑い」「ゴールまで長い」「体がきつい」は事実。それによって気が重くなったのは、自分自身の解釈によるものです。それに気がつけば「大丈夫。これは自分が思った感情にすぎない」とわかるでしょう。筆者は辛くネガティブな感情に支配されているときには、いつも「ネガティブになってしまっているな、でも、きっとポジティブな時間がやってくる」と思って走り続けていました。実際、ロングのレースではネガティブな時間もポジティブな時間も交互にやってきます。交互に来るものだと知っていれば耐えられるものです。感情は自分が作り出しているものにすぎない、そう知っておくことが大事です。
まとめ
人の感情とは面白いものですね。全て自分で解釈をつけて感情が出てきます。日々の生活でも、どうして今、ウキウキしているのか、冴えない気分なのか、悲しいのか、理由(事実)を見つけるクセをつけるといいと思いますよ。それに脱線しますが、日本語には心の機微を表現するたくさんの言葉があります。感情を表現する言葉を多く知っておくと人間的な深みも増して一石二鳥!?いずれにせよ、メンタルは日々の生活の中でトレーニングしていくもの。日々の生活を丁寧に、自分の感情により注視して行きましょう!